2023年12月11日
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三百字小説『宇宙海賊ミットの大冒険』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 全宇宙に野球を普及させる願いを込めてボールとバットとキャッチャーミットが宇宙に打ち上げられた。

 しかし、その3つはバラバラになり、ミットだけが善人星人に拾われた。善人星人は、ミットが有機素材で作られていることを発見して、もとは生き物だと考えて復元した。

 意思があり、生きているミットが誕生した。ミットに付けられていた野球用語表もボロボロで「盗塁」という言葉しか残っていなかった。

 「そうか、オレは塁を盗むために作られたのか」と考えたミットは宇宙海賊になることを決意した。

 宇宙海賊に怯えた善人星人は土塁を作って侵入を防いだ。

 それを見たミットは土塁だけ盗んで立ち去った。

 「盗塁成功」

(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦